【章 解⓪】風のセレナーレーこんにちは人間界ー〖プロローグ〗

風の文字 【章解】風のセレナーレ

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水城 優
水城 優
こんにちは! 水城優です。
水城わーるど、第3弾は天上界および人間界を舞台にしてのハートフルファンタジー、風のセレナーレーこんにちは人間界ーの章解です。
物語の序章、主人公の見習い天使、ある理由からセレナーレは両親から『天の旅路』を言い渡され、否応なしに相棒のパッツィーと共に家を出て人間界へと旅立ちます。

『プロローグ』の

おもな登場人物の紹介

〖メインキャスト〗

微笑む少女

                                                                                

セレナーレ・バストゥール

愛称はセレ、この物語の主人公。

天界の古いしきたりに従い異世界に修行の旅に出る。 

 

オッドアイの白猫                                                           

 

 

 

 

パッツィー

セレとは『魂の双子』。

白い毛に覆われ猫の顔に両翼をもつ幻獣、ニャコサスの化身。                                                              

 

〖セレの両親〗 

黒髪のヘアスタイルのお兄さん                                                                                                                          

 

 

 

ヨハンセン

寡黙で心優しいセレの父親。                                                                                               

 

リラックスする女性

 

 

 

 

 

 

 

ジョアンナ

快活で社交的な性格のセレの母親。                                        

 

〖聖学校〗  

白装束                                                                                               

 

 

 

 

 

アルテイシア

セレの精霊魔法の師であり、才色兼備の聖賢天使。

聖学校では薬学の教師。

『プロローグ』の章解

〖第一幕〗

天上界最貧層に暮らすバストゥール家。

一人娘でセレナーレは13歳の誕生日を数日後に控えていた。

 

【序 章】                                                                 天上界の最下層の天使が暮らすトーマス・モア。                                              そこから少し外れたドリフターというところにセレナーレ・バストゥールは父のヨハンセン、母のジョアンナ、そして口うるさいのが玉に瑕の『魂の双子』、パッツィーと暮らしてる。                                                          彼女の今の関心事はそれは・・・、一週間後に控えた十三歳の誕生日。                                          この年になると、天界では『第一の自我』といって天使見習いの称号が与えられる。                                  きっと両親から素敵なプレゼントと豪華な食事が用意してくれているに違いない。

セレ(愛称)は節目の誕生日に胸躍らせていた。

ところが、楽しみのはずの誕生日は彼女が予想しえない過酷なものになっていく。

 

 

〖第二幕〗

朝食の席、父親のヨハンセンがセレの誕生日を話題にしてくれた。

胸を高鳴らせるセレであったが、彼の口から飛び出した言葉に彼女は耳を疑う。

その言葉は『天の旅路』であった。

 

朝食の席】                                                             「ところで、セレ。お前、もうすぐ、十三歳の誕生日だったな」                                  ヨハンセンが、娘の誕生日をしっかり覚えている。                                                                                                                                                                                                            「それでお前、もう決めたのかい?」                                                                              〝そらきた〟                                                                     セレは父の予想通りのセリフを前に、まだ見ぬごちそうとプレゼントに心をときめかしていた。                                                                                                                       ところが、父の次の一言で天国から地獄へ突き落されていく。                                                  「セレ、そうじゃないよ。私が聞いているのは、『天の旅路』のことだよ」                                    天上界では、一つの慣習があって、将来善き天使を目指さんと欲する者は、十三歳の誕生日を迎えると、親元を離れ、修行の旅に出なくてはならなかった。                                                                                                     天の旅路というのは、天上界を旅立ち、他の異世界で数年間ときに十数年間、善良の天使となるための修業を積むことをいう。

 

〖どうしてわたしがこんな目に〗                                                       父の言葉が、放たれた矢のごとくわたしのピュアなハートに重く突き刺さった。                                              それはあと一週間で、親元を離れて一人知らない異世界に修業の旅に出なくてはならない。                                                         最初は冗談だと思ったセレだったが、父の顔はいたって真剣だったし、母なんか下を向いて涙ぐむ始末。    あまりにも衝撃的な展開でその後のことは何一つ覚えてなく、パッツィーと聖学校へととぼとぼと歩いていく  すでに始業時間も過ぎ、わたしは沈痛の面差しでどうどうと遅刻。

一時間目は薬学の授業で担当はアルテイシア先生、彼女はセレの精霊使いの師匠でもある。

彼女は、セレがお通夜の席みたいな顔をして入ってくるの見て、「セレナーレ・バストゥール。放課後、時間はあるかしら」と声をかけてくれた。

 

 

〖第三幕〗

放課後、意気消沈のままセレはパッツィーを伴い、師の待つ精霊塔に向かう。

アルテイシアに事情を話すと、自身も『天の旅路』の経験者と聞き、セレの考えは180度変わる。

 

【放課後、精霊塔にの一室】                                                     セレはパッツィーを伴い、アルテイシアを尋ねに行った。                                                      彼女のことを学校ではアルテイシア先生、師として接するときは様をつけて呼んでいる。                                  セレが落ち込む理由を語り始めたとき、それより先にパッツィーが口を出してきた。                                                                                                                                                   「聞いてくださいよ、アルテイシア様。セレのヤツったら、今日の朝ヨハンセンから『天の旅路』のことを聞かされ、家を追い出されてしまうんだなんて、柄にもなくこうしてシュンとして落ち込んでいるんですよ」                                                                              セレが答える前に、不届き者にばらされてしまった。                                                                理由がわかると、アルテイアはがきりっとした口許を綻ばせた。                                                                    「『天の旅路』か、懐かしいわ。わたしも十八の頃に、行った経験があるわ……」                                                 ただセレは、そのとき気づかなかった。アルテイシアの瞳が悲哀に満ちていたことに・・・。

 

〖今が旬なのよ〗                                                               セレは、同じ境遇の先輩がいることを知り、元気もりもり、心から勇気傷けられた。                              つかさず不届き者が相棒の嘆きの壁を取り除こうと、フォローを入れる。                                          「それによう。『天の旅路』は修業の場なんだろう。住む場所がちょっと変わるだけのことで、案外いい出会いがあるかもしれないじゃないのかい」                                                 アルテイシアとパッツィーのおかげもあってか、セレは『天の旅路』に対して初めてポジティブな感情が芽生え始めた。                                                                  だがそのとき、アルテイシアは心の中で一抹の不安がよぎった。                                                                                    「どうかこの子があの世界だけは選びませんように……」                         彼女は短く神に祈りの言葉を捧げた。

 

本章執筆㊙話

風のセレナーレはある作品をベースに作られています。

十代前半の少女が親元を離れて修行の旅に出ていく。

 

ここまでくれば『感のいい方』なら、スチュエーションが『ジブリ作品』のアレに似ているんじゃ?

予想通りこの物語は、童話作家角野栄子さんの『魔女の宅急便』が元ネタになっています。

 

元ネタになっているとはいえ、それは冒頭シーンから人間界にへ旅立つところまでで、先の展開で大きく変わっていきます。

 

主人公のセレは、キキと同様、持ち前の明るさとガッツでどんな困難があろうと乗り越えていく真の強い少女として描いていきます。

タイトルからみる次章の展開

さて、風のセレナーレーこんにちは人間界ー『プロローグ』はいかがだったでしょうか。

次章のタイトルはズバリ『天の旅路』です。                                              セレを震え上がらせた「元凶」ともいうべきキーワードでしたね。

 

前回の独創術④でご説明いたしましたが、タイトルは本編の内容をぎゅぎゅと凝縮したものです。それを加味しながら、次章の展開を予測してみましょう。

 

まずプロローグの情報を整理してみますと、『天の旅路』が、前半ではセレにとって不吉な元凶、後半ではアルテイシアの助言により新たな出会いという構図がに変化していきます。                                    当然、展開通りであるならば『天の旅路』はセレとっては素晴らしい未来への門出となることが予想されまよね?

 

とはいえ、水城も作家の端くれです。そう簡単に読者の皆様に看破されそうな展開にならぬようきちっと伏線を設けています。それが「プロローグ」の終盤のアルテイシアの言動です。

➀ 彼女の瞳に悲しい影が宿っていた、                                                                    ➁「どうかこの子があの世界だけは選びませんように……」

 

お話できるのはここまででしょうか。                                                   皆様だったら、次章『天の旅路』の展開、どうお考えになるでしょうか。

 

水城 優
水城 優
それでは次回、『天の旅路』で皆様にお会いできますことを心より楽しみにしております。

 

 

 

 

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