【第1回】〇〇のわけ

中学生の理科の参考書 優の引き出し

優の引き出しとは・・・

優の引き出し=執筆で使えそうな小ネタをストックすること

 

作家を生業にしている方であれば、たとえそれがフィクションであっても作品にリアリティーを持たせるため、ある程度信憑性の高いネタ(情報や知識等)を(頭の中の)引き出しに数多く持っていて損なことはありません。

 

ネタの仕入れ先について、その主なものをまとめてみます。

ネタの奪取先となるもの

① インターネット

(メリット)・・・OA環境が整備されていれば、情報検索がスムーズに入手可、時間もかからない。

(デメリット)・・・情報の出ところや内容の信憑性が不確かな場合が多々ある。

➁ 書籍(図書館)

(メリット)・・・書籍化しているいうことでお墨付きの情報をゲットできる。

(デメリット)・・・欲しい情報にたどり着くまでかなりの時間を要する。

⓷ 人(知識人またはその筋の専門家)に聞く

(メリット)・・・現実味のある情報が引き出せたり、その道に通じている人から意見を直接聞くことができる。

(デメリット)・・・その人に辿り着くまでに時間がかかる、情報の内容によっては個人情報に抵触するおそれもあるので取り扱いにはかなりの配慮が必要である。

④ 現地に直接赴く

(メリット)・・・直接自分の目で確かめたり、生きた情報として受け入れることができる。

(デメリット)・・・現地までの時間や交通費の問題。

まとめ】

信憑性の高い情報を獲得するには、多少時間やお金(交通費等)がかかっても、図書館や情報に精通した人、直接現地に出かけてみる方がいい。

時間の短縮やお金(交通費等)をかけたくなければ、情報の信憑度は幾分低くなるが、ネットに頼る方が効率がよい。

*どちらも一長一短ありますが、作家のライフスタイルによってある程度決まってくるといえましょう。

*水城の場合、現状ほぼ7割ほどはインターネットに依存しております。

番外編の小ネタ獲得法

 

 

ここでインターネットでの小ネタ獲得術なるものを淡々と説明していても記事としてどうかなと思いましたので、水城小ネタ獲得術の残りの三割についてお話させて頂きます。

いくつか情報ネタはあるのですが、その中でも変わり種というものをご紹介させて頂きます。

水城が小説の豆知識として利用しているものの一つに理科の完全学習という小学生向きの参考書があります。   
とはいっても、現在の参考書ではなく、昭和39年発行のもので、まず古書店や図書館でも見つけることができない?。超激レアの理科の参考書です。
簡単に内容をご説明すると、小学生向きの自然科学(生物・物理・化学・地学)全般を取り扱っています。
まあ時代が時代だけあって今では死語に近い内容も多々あり、参考書マニア(そんな奴いる?)にとっては垂涎の1冊と言えましょう。

理科の完全学習発展の中の発展学習

科学による共存の未来

 

話を本筋戻すと、この理科の完全学習は、「基礎学習」、「発展学習」、「まとめ」から構成されています。
小説でちょっとしたうんちくのいくつかは、理科の完全学習のなかにある発展学習から知識を借用しています。
発展学習は、基礎学習は(昔の)小学生に必要な基礎的な内容を扱っているのに対し、発展学習はその内容をさらに深堀し内容の濃いものになっています。ゆえにちょっとしたアイディアのひねりや思い付きの裏付けなどに利用しています。
発展学習の内容はある程度類型化されており、その一例はと言いますとこんな感じなります。

≪発展学習のおもな型≫         「〇〇の特徴」
「〇〇のわけ」
「〇〇の大別」
「〇〇の型」
「〇〇の種類」
「〇〇くらべ」
「〇〇と××の違い」
「〇〇のはたらき」
「〇〇の性質」
「〇〇の注意」
「〇〇の基準」        「いろいろな〇〇」

 

今回はその中のひとつ、「〇〇のわけ」についてご紹介させていただきます。

 

「〇〇のわけ」について

 

発展学習内にある「〇〇のわけ」、これはある現象や状態、過程などについての内容を詳細に解説し発展させたもの多いようです。下記にその一部を抜粋したものを、転記します。

年輪ができるわけ】                                                〇木は、温かい春から夏にかけてはよく成長して太くなるが、寒い秋から冬にかけてはあまり成長しないのでふとさはあまり変わらない。                                   〇春から夏にかけて成長した部分は、幅がひろくて柔らかで、色も白っぽい。             〇秋から冬にかけて成長した部分は、幅が狭くてかたく、色も褐色である。
〇木は、1年のうちでも季節によって成長する割合ちがうので、木の切り口は色の濃い部分と薄い部分が輪になって見える。この場合、春から夏にかけて成長した色の薄い部分を春材といい、秋から冬にかけて成長した色の濃い部分を秋材という。                                                   〇1年間にできた春材と秋材とをあわせて年輪というのである。したがって、年輪の数によって、木のだいたいの年齢をしることができる。
カにさされるとかゆいわけ】                                                                                                                               〇めすのカは、多くのたまごを産むため、人や動物の血を吸って、多くの栄養をとる           〇血を吸うとき、血が固まらないよう毒を出す。この毒のため、かゆくなり、赤く腫れあがるのである。
真珠のできるわけ】                                                 〇アコヤガイなどの貝がらは三つの層からできていて、内部のつやのある層を真珠層という。      〇真珠は、真珠層からできたものである。                                                  〇外套膜と貝殻のあいだに何かの異物(たとえば、寄生虫、すなつぶなど)が入り来いむと、外套膜の表面の部分がしげきされて、外套膜から、真珠層同じもの(真珠質)がたくさん出され、その異物をつつんで、長い間には、次第に球形になる。                                                   〇どの貝でも、真珠はできるが、色つやが美しいのは、アコヤガイ・シロチョウガイなどにできる真珠である                                                                     〇真珠は、しぜんにできることもあるが、御木本幸吉は、1984年に養殖真珠を作ることに成功した。                                                      〇西川藤吉は、1905年に人工で球形のしんじゅを作ることに成功した。                       〇今日では、おもに三重県志摩半島の入り江を中心に真珠の養殖がおこなわれている。
北の空の星が動くわけ】                                                                  〇北極星を中心として、北斗七星などの北の空の星が左回りに動くように見えるのは、地球が反対の方向にまわっているからである。

山風や谷風がふくわけ】                                             ➀山風がふくわけ=山風が吹くのは、陸風が吹くのと同じわけである。すなわち、夜になると山の斜面がよくひえるので、その近くにある空気が冷やされて重くなり、下のほう(平野のほう)にむかって流れ込む。このため山風が吹くのである。

➁谷風が吹くわけ=谷風が吹くのは、海風が吹くのとおなじわけである。すなわち、昼は日光によって、山の斜面がよく温まるが、平野はそれよりもあたたまりにくいので、山の空気が上にのぼって、平野のほうから山にむかって風がふくのである。

夏の昼に山の頂近くによく雲ができるのは、谷風によって運ばれた水蒸気がひえて雲になるからである。

おことわりいたしますが、年代物の参考書のため、現代と異なる情報も多々あるため、使用前には必ず精査してから小説内の知識としてアップしています。

 

また機会がございましたら、この超激レア参考書について随時お話させて頂きたいと思っています。

 

水城 優
水城 優
サイドバーには『まったりたいむ』として、水城が小説を書く上で参考にしているものをいくつかまとめています。よろしかったら、遊びに来て下さいね。

 

 

水城優の野望
小説家の責務とは、読者の皆様に喜ばれる作品を数多く執筆していくことである思います。しかし書くという行為だけに走りすぎると、(自身が)がんじがらめになってしまい深みのある作品が書けなくなることが時としてあります。そこで水城優の野望では自作品を、多角的にとらえ、こうならばなおいいというふうに所見を述べて参ります。
表現レシピ
小説を書いているなかでむずかしいなあと思うことの一つに、作中人物の考えや状況説明を読者の皆様にわかりやすく説明することがあります。小説はひとつですが、読者の皆様は不特定多数とします、すると同じ内容を読んでいても捉え方や感じ方が異なります。そこで表現レシピでは、テーマを決めてわかりやすい表現技巧の情報を発信していきます。
あっぱきやね話
小説というものはある意味総合芸術のひとつであると水城は考えています。もちろん、だれもが夢見る壮大な世界観、緻密に練られたストーリー、そして魅力的なキャラクターたち。これさえ書けば、それだけで名作なる作品が完成されるかと言えば、そうでもありません。そこで本記事、『宣伝』という視点から小説(章解)の魅力をお伝えいたします。
【第1回】〇〇のわけ
作家を生業にしている方であれば、作品の構成は言うまでもございませんが、たとえ架空のお話でも作品にリアリティーを持たせるため、小ネタは多数持っていたほうが有利と言えます。本記事では、小ネタ獲得とその活用方法について具体的に紹介していきます。 ネタ元は、昭和初期の小学生向きの理科の参考書『理科の完全学習』を取り上げてみます。
優どうらく
小説は作者を映す鏡と言います。となると気になる?のが作者の水城優です。(ならない方も多いと思いますが)この作家はいったいどういった人物なのか、プロフィールで紹介するのが定番ですが、優のどうらくでは、水城優の一風変わった趣味や特技からその人物像を色濃く?お伝えしてきたいと思います。

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