〖表現レシピ〗笑いの美学【第1回】

笑いの絶えない家族 表現レシピ

表現レシピとは、・・・

 

これは、水城が執筆する上で用いる表現技巧を指し、『執筆』を『料理』になぞらえて『表現レシピ』と命名しました。

 

言葉を言い換えれば、料理の『素材』にあたるものが小説の『テーマ』、『調味料』にあたるのものが『表現レシピ』ということになります。

 

つまり、料理にしても執筆にしても、素材をいかしながら他のもと一味違うものにするには表現技巧は切っても切れない関係といえるのです。

 

詳しくは別記事でお伝えできればと。考えています。

 

記念すべき第1回のお題は『笑いの美学』です。

笑いってそんなに大事なことなの?

 

ファンタジーに限らず、小説全般で必要な要素と言えば、すぐに浮かぶのが『喜怒哀楽』です。                  喜怒哀楽は、人間だれしもが本来もち合わせている基本的な4つの感情を指します。                  それが、『喜び怒り哀しみ楽しみ

 

笑いとは、一般的に『快』を伴い、『感情体験』と深くかかわっています。               笑いは、人間が人として営みをもつ上で欠かせない大切もの。その営みを活字を通して表現する小説にとっても欠かすことができない『最重要要素のひとつ』といえるのです。

 


この4つの感情のなかで『笑い』と密接に関係のあるものと言えば、やはり『喜びと『楽しみ

 

人の情動の中でこの二つはプラスに作用し、それは物語の見せ場や読者の期待度などから欠かすことができない快の要素であるため、小説家が誠心誠意、真心込めて描写する大切なところであるといえましょう。

笑いはどう表現するの?

笑いなるものを手っ取り早く表現するには、その状況を効果的に視聴者に見せることです。
マンガであれば、笑っている様子をキャラクターの表情の画で見せたり、吹き出しなどを使って言葉で表現します。                                                           テレビや映画であれば、キャラクターの笑いの所作のすべてを動画で一部始終みせることができます。

それでは小説(活字)であれば、どう表現する?

 

 

 

結論:「画や映像」に頼ることができない小説が笑いを読者に伝える唯一の方法は、それはやはり「活字」をもって伝えるしか方法はありません。

 

活字で笑いを効果的に描写する方法は主に3つ                                                                        ①笑い声の描写(クスクス、クスリ、アッハッハなど)                                                            ②笑うときの表情や仕草の描写(目じりや口角筋などの動作描写、口元に手を添えるなど)                                                         ③笑いの経緯を伝える(笑いに至るプロセスの説明)

 

活字で笑いを表現する限界点(水城の失敗談より)                                                            笑い声と表情&仕草は同じ言い回しや表現を多様すると笑いがマンネリズムに陥ってしまう。                                  画や映像に頼れない部分、活字での『笑いの美学』の追求にはある意味限界があるのではないかという点。

それでは、活字による「笑いの美学」はいったいどうなってしまうの?

 

悩んでいる水城に笑いのヒントを与えてくれた人物がいます。                         その人の名は漫画家『尾田栄一郎』さんです。

言わず知れた国民的人気マンガ、ワンピースの作者です。

 

ワンピースと言えば、その魅力的なストーリーやキャラクターに関心のほとんどが向きがちだが、細かい点をよく観察してみるとはっと気づかされることが実に多いマンガであると言わざるを得ません。

 

その1つがキャラクターたちの笑い方です。

 

驚いたことに、尾田さんはキャラクター個々に独自の笑い方を設けているのです。                           ワンピースのファンの方であればそれは周知のことでしょう。

 

笑い方といえば、思いつくのが、「アハハハハ、ワハハハハ、クス、クスリ」などが常套表現です。

ですが、尾田さんはキャラクターにそのような笑いの常套句を用いていません。                        きちっとキャラクターの個性に応じた笑い方を考えていらっしゃるのです。

 

これには目からうろこでした。当然「活字」と「画」で異なる部分も多い小説とマンガの世界。

とはいえ、笑いは個性という視点でとらえれば、笑いに至るプロセスと個性的な笑い方を効果的に組み合わせることによって、小説でも『活字による笑いの美学』をきちっと成立することができるんじゃないのかと最近考えるようになりました。

 

このほかにも水城がワンピースで気づいた魅力についても、別の機会にご紹介できればと思っております。

おまけ:水城優の思う『ワンピースキャラの笑い方』勝手にランキング

【水城優が思うワンピースキャラ笑い方ランキング】                                          第三位                                                                                          「ゼハハハハハ」の黒ひげ
第二位                                                                       「カンラコロコロ」のドウジャク                                                                                                                                                        第一位                                                            「ムルンフッフッフッ」のカタリーナ・デボン                               *惜しくもランキング外でしたが、ペローナの「ホロホロホロ」も個人的には好きな笑い方の1つです。

皆さんはどのキャラクターの笑い方がお好きでしょうか。

 

 

水城 優
水城 優
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