【章 解⓪】ぼくの彼女は人造人間ー神々の陰謀ー【プロローグ】

海の神と怪物の戦い 【章解】ぼくの彼女は人造人間

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水城 優
水城 優
こんにちは! 水城優です。
水城わーるど第2弾は未来の地球が舞台のバトルアクション巨編、ぼくの彼女は人造人間ー神々の陰謀ーです。
物語の序章、主人公サトルと人工生命体のサッチはとある森で助けた老人から、まもなく神々によって人類が滅ぼされることを知らされます。

『プロローグ』                                                           主な登場人物の紹介

〖メインキャスト〗 

                                                                  南条サトル

本編の主人公。

機械いじりの好きな少年で工学博士になることを夢見ている。

万物の声を聴きとれる不思議な力を持つがゆえに、人類の滅亡に関わる事件に巻き込まれていく。                                                                   

 

 

 

 

 

 

 

サッチ

女性型人工生命体でサトルの相棒。

サトルの勇み足を制動する保護者的存在。

科学的に説明がつかない考え方には否定的な見解をもつ。  

 

 

〖人類の危機を伝えし者〗   

                                                       

謎の老人

サトルに神々の陰謀を伝えた張本人。

ボロは身にまとってもどこか超然善的な存在?に見える。                                                       

 

 

 

 

 

 

 

 

その従者

謎の老人の従者。

頭がマメシバ、身体つきがガンガールのような不思議な生き物。

主人と違って律儀で生真面目。  

                                                                     【秘密裏に暗躍する者】  

                                                            黒服の男(長身)

公安局所属。

サッチにかかわるあるものを狙っている。

『プロローグ』

の章解

 

森の隠れ家

 

 

〖第一幕〗                                                                      万物の声を聴きとれる能力をもつサトルは、相棒サッチと立ち寄ったとある森で助けを呼ぶ声を聞きつける。

 

序  章】                                                                                                     ときは22世紀末、覇者(人類)による度重なる環境への乱開発のせいで、亜種羅(人間以外の種族)の大半が絶滅に瀕していた。

彼らは助けを乞うため、祈り続けた。                                                                 〝地上を蹂躙する蛮族のために私たちの命の灯が消されようとしています〟                             〝どうか我々を愚か者どもの手からお救いください〟                                            〝新たな救世主により、この星の浄化を望みます〟                                       

この星では彼らの声にだれ一人耳を傾ける者などいない、はずであった。                                                                                  「汝らの願い、しかと聞き届けた」                                            他を圧倒する威厳ある声が覇者を除く、この星の生きとし生けるものたちに響き渡る。                        天空の彼方より、彼らは虐げられた者たちを静かに見つめていた。                                       「罪深き種族よ、これより先、汝らの罪業をとくと思い知るがよい……」

 

少年の不思議な力とは?】                                                    陽光が天高く輝いている。                                                ここは大都市から少し離れたとある郊外の森の一角である。                                    そこに一人の少年が緑あふれた小高い丘の斜面にその身をあずけている。                                    年のころは十八歳かそこらであろう。肌の色は白いほうだが、純粋な白ではなく、この星では東洋系の人種だ。                                                      この少年にはほかの覇者にはない、ある種の特殊能力をその身に宿していた。                                                            『万物の声』を聴きとれる力だ。                                                                                                               この力は、この少年の生まれつきの能力ではない。                                           彼は十八歳になるまでいくつかの悲しい別れを経験している。                                         最初は五歳のとき、彼の最愛の妹を病気で、次いでその五年後、海上事故で両親を亡くしている。                     それ以来、常に死を身近に感じるようになり、声ともならぬ声が自然と聞きとれるようになったのだ。

 

緊急シグナル】                                                          少年の名前は南条サトルという。                                              彼には、年上の相棒がひとりいる。                                             ショートカットの金髪にダークブラウンの瞳をもち、その均整の取れた肢体はまるで雑誌のモデルのようだ。                                                             知らぬ者が見れば、ふたりは仲の良い姉弟のように見える。                                                             ところがこの彼女、実は人間ではない。人に似せて造った人工生命体(アーミーフレンド)なのだ。                                                                               名前をサッチという。                                                      ふたりはサトルの卒業旅行を記念し、彼の母の故郷、昭和ムラへの小旅行の途上にあった。                                           大都市テクノクラードを出発してしばらく経つが、こうして自然に囲まれた場所に出っくわすと、つい寄り道をしてしまうのだ。                                                       リラックス気分でいるサトルの耳元に何者かがささやきかけてきた。                          〝だれかわしを助けてくれえ……〟

 

 

第二幕                                                                          サトルは助け人の発するシグナルを頼りに森の奥へと救援に赴く。

だが、サッチはこのとき、言い知れぬ不安と奇妙な胸騒ぎを覚える。

 

警 告】                                                             ホヴァーモービルを走らせること五分。助け人からの声が大音量でサトルの心に流れ込んできた。                                                              サトルはホヴァーモービルのエンジンを切り、大きな青色のリュックサックを背負うと、森の入り口を指さした。                                                                                            人工生命体の彼女には言い知れぬ予感が〝ここから先には入ってはいけない〟と告げている。                       入り口部分は狭く、その先は高木に覆われているため、昼間でも薄暗く、何やらわからぬ怪しげな植物が不気味な胞子をところかまわず噴き出している。                                        だが、必死に引き留めようとするサッチの言葉も、使命感に燃えるサトルの耳に入らない。                                   サッチはそのとき、もはや自分が引き返せない状況にあることを覚悟した。                       サトルは、緑のハンカチで鼻を覆うと、暗闇の森の中にすぅーと消えていった。                            一人たたずむサッチは、わが身を顧みない無謀な相棒が森の奥に姿を消すのを見た途端、先ほどのあれがまた〝この先には行ってはならぬ〟と警告を発してきた。                                サッチは心の声に悪態をつきながらも、ピンクのハンカチで鼻を覆うと相棒の後を追いかけ、森の中へ飛び込んでいった。

 

遭 遇】                                                薄暗い森の中は、想像以上に最悪なものであった。                                                サッチが先行するサトルに追いつくのに、さほど時間はかからなかった。                                          体力のない彼はこの陰湿な空間では者の数分で息が切れてしまい、その場に蹲り身動きが取れない状況であった。                                                 サッチはぼやきながらも、サトルを抱き起すと、重そうな青いリュックサックをひょいと右肩に引っかけた。                                                             息を整え、サトルは意識を声のする方向に集中させる。                                         どうやら助け人はおよそ30分ぐらいのところにいるらしい。                                 薄暗い中をこれ以上サトル主導で行かせることもならず、サッチが彼の指示に従い森の中心部まで先導することになった。                                                               ふたりは森の中心地にたどり着くと、目的の人物の捜索に取り掛かった。                                                                                     ほどなくしてその巨木のそばから湧き出る泉の近くにその者と思しき人物?を見つけた。                         その人物は、年のころは70歳ぐらいで無精ひげを生やし、ぼろの袈裟を身にまとった小汚い感じのする坊主姿の老人であった。

 

            

第三幕                                                                   謎の老人とその従者はとある事情からこの森に引きこもり飲まず食わずの生活を強いられていた。

 

助け人の正体】                                                           サッチは警戒心を怠らず、どこか人間離れしたこの老人と距離を取りながら胡散臭そうな眼差しで見つめる。                                                          これに対し、疑うことを全く知らないサトルは、哀れなる老人につかつかと歩み寄っていく。                                                        謎の老人がひょっこり現れたふたりの闖入者を見つめながらこう名乗りを上げた。                             「わしはこう見えても神なるものぞよ」                                                                                     神と名乗るこの老人は、容貌とは裏腹に威厳のある声で怪しげな者でないことを高らかに宣言した。                                疑うことを知らないサトルが神と名のる得体のしれない老人の言葉を素直に信じたが、警戒心の強いサッチは得体のしれないつるつる坊主からサトルを強引に引き離した。                                           すると、近くの茂みから何かが急に飛び出してきた。                                   ふたりの前に突如現れたのは、これまた摩訶不思議な生き物であった。                            なんとそれは、頭がマメシバ、身体つきがガンガールのような不思議な生き物で、自らを神の従者で、そらと名乗った。

 

泣く子とこと空腹には勝てぬ】                                                             つる坊主の老人は神を800年続けていると自慢げに強調して見せたが、サトルもサッチもそのあまりの長さにぴんとこない様子であった。                                            だが、その威厳に満ちた態度も長くは続かなかった。                                      自称神が膝からがくりと膝から崩れ落ちると、急に身動きがとれなくなった。                            サトルは神の身体を揺すぶってみた。                                                自称神からなんの反応も起こらない。                                                と、返事の代わりに奇妙な音が聞こえてきた。                                          「グゥ~」                                                        奇妙な音に驚いたふたりは、また闖入者が登場するのではないか思い、周囲を見回し不気味な音の出所を突き止めようとする。                                                    「済まぬ。このところ何も食していないせいか。腹が減って身動きが取れんじゃったわい」                         「おいらたちは、とある事情からこの森に隠れ住んでいたんだ。けど、食糧に事欠き、泉の水で飢えを耐え忍んでいたんだよ」                                                        事情を察したサトルは、サッチからリュックサックを強引にひったくると、中から食べ物をごっそりと取り出し、自称神とその従者に差し出した。                                                                               ふたりは、爆泣しながら目の前の食べ物にむさぼりつく。その光景をサトルは温かいまなざしで見つめていた。 この後、この神を自称する者から恐るべき真実が語られることも知らずに……。

 

本章の執筆㊙話

福の神と貧乏神

 

実はこの物語当初設定は、学園ラブコメを設定していました。

高校生以上であれば、だれもが一体アンドロイドを所持してもいいという何ともうらやましい近未来の世界。

当然異性に惹かれる多感のお年頃であれば、理想の彼女(または彼氏)を求めてアンドロイドを手に入れようとします。

ところが、このアンドロイド新品だと一体100万円、中古でも30万円ほどする高価なもの。

当然主人公の家庭状況では、中古ですら買うことができません。それでも理想の彼女を手に入れたい主人公はとある闇市場でわけあり激安のアンドロイドを手にいれようとして、見事念願を果たします。

 

ここで物語の肝となるが『わけあり』というところです。

なんとこの主人公が購入してしまった超美形アンドロイドは、実は殺人兵器として開発されたものだったのです。こうなると、主人公の転落人生が目に浮かぶようですね。

タイトルから見る                                                      次章の展開

 ぼくの彼女は人造人間ー神々の陰謀ープロローグはいかがだったでしょうか。

 

プロローグでは、覇者(人類)の乱開発のせいで、多くの種族が絶滅に瀕しているという、重いテーマから物語がスタートします。

そして物語はある巨大な存在の手によって、覇者が窮地に追い込まれていく展開がどうやら期待できそうです。

本編の主人公サトルとサッチは卒業記念の小旅行で立ち寄ったとある森で、飢えた神とその従者を助けるとになり、このあとこの神なる人物からとんでもないことを聞かされ驚愕するのです。

次章のタイトルが『過去の記憶』。これはいったいだれのような記憶を指すのかは、ここまでの物語の情報では推測することは難しいでしょう。一章の後半で早くもサトルは究極の選択を強いられることになります。それはサッチの悲しい過去でした。

とまあここまでが現在お話しできるところでしょうか。                                    この続き、皆様でしたらいかなる展開か待っているお分かりになるでしょうか。

 

水城 優
水城 優
それでは次回、『過去の記憶』で皆様とお会いできることを心より楽しみにしております。

 

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